マナビラボ

第32回

2017.09.20

「マナビラボ高校の1日」最終回!
〜vol. 12 数学科・外国語科の実践事例〜

全国調査の結果を解説する「ニッポンのマナビ いまの高校の授業とは!?」

2015年度に続き、東京大学大学総合教育研究センター中原淳研究室は、一般財団法人日本教育研究イノベーションセンターとの共同研究として、「高等学校におけるアクティブラーニングの視点に立った参加型授業に関する全国調査2016」を実施しました。
各教科(国語、数学、理科、地歴・公民、外国語)の教科主任の先生向け、各教科でアクティブラーニングに取り組んでいる先生向けの2種類の調査について、調査票を送付した全国の高等学校約2,414校のうち、約74%にあたる1,794校からの回答を得ました。

調査で明らかになった各教科の実践事例をふまえて、「ハワイ」をテーマに、架空の高校「マナビラボ高校」のとある1日の授業を提案する「マナビラボ高校の1日。(企画の説明はこちら

今回は最終回として、4限目「数学」、5限目「英語」をお送りします!

数学科や外国語科では、どのような参加型授業が実践されているのでしょうか!?

 

■ 4限目「数学」

数学科は、2015年から2016年の1年間で、アクティブラーニングの実施率が飛躍的に高まった教科のひとつです。

アクティブラーニングを実施している先生に最もうまくいった単元を思い浮かべていただき、それがどのようなテーマや流れで実践されたか、生徒のふりかえりのためにどのような工夫をしているかについて、自由記述でご回答いただきました。

その結果、数学科の実践事例に特徴的な傾向として、以下のような点が挙げられました。

 

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今回は明らかになった傾向のうち、特に「アクティブラーニングが導入されやすい単元・内容」の一つである統計に着目し(1)、数学と身近な生活との関連を実感させるような活動が多く実践されていることをふまえて(2の③)、学習テーマを考えてみました。

 

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「ハワイへの修学旅行」という、非日常的ではあるけれど具体的な経験に結びつけられるような問いの例が、他にもたくさんありそうです!

 

■ 5限目「英語」

マナビラボ高校のとある1日、最後の授業は「英語」です。外国語科の実践事例には、以下のような傾向が見られました。

170918_gaikokugo

 

今回はとりわけ一つ目の傾向をふまえた学習テーマにしてみました。授業の展開によっては、二つ目の傾向、つまり国際問題や論争的な社会問題にふれることもあるかもしれません。

 

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プレゼンテーションを構成する場合に社会科の授業で学んだことを生かすということもありますが、反対に、社会科でのハワイ社会の特徴や歴史的展開に関する学習のなかで、外国語資料の読解が必要になる場面もあるかもしれませんね。

 

さて、新企画「マナビラボ高校の1日」いかがだったでしょうか。

調査で明らかになった各教科の実践事例に学ばせていただきながら、マナビラボの調査担当むらまつ(授業づくりはまったくの初心者!)が、「ハワイへの修学旅行」というイベントを軸にした教科横断的なカリキュラムづくりに挑戦してきました。

日々授業をされている先生方には、もっともっとたくさんのアイディアが思い浮かばれていることと思います。

ぜひコメントを頂戴できればと思います!

 

第3次報告書はこちらから

2015年度の調査結果はこちらから

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【出典記載例】

木村充, 小山田建太, 伊勢坊綾, 村松灯, 田中智輝, 山辺恵理子, 町支大祐, 渡邉優子, 中原淳 (2017). 東京大学-日本教育研究イノベーションセンター共同調査研究 高等学校におけるアクティブラーニングの視点に立った参加型授業に関する実態調査2016: 第三次報告書. http://manabilab.nakahara-lab.net/wp/wp-content/uploads/2017/08/3rdreport.pdf

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