マナビラボ

第6回

2016.03.02

お待たせしました!アクティブラーニング全国調査の結果を大公開!~第二弾~

教えて!高校のアクティブラーニング

東京大学 大学総合教育研究センター 中原淳研究室は、一般財団法人 日本教育研究イノベーションセンターとの共同研究として、2015年7〜9月にかけて「高等学校におけるアクティブラーニングの視点に立った参加型授業に関する全国調査」を実施。調査用紙を送付した全国の高等学校約3,983校のうち、62%にあたる2,414校からの回答を得ました。調査では、学校長など学校代表者向け、各教科(国語、数学、理科、地歴・公民、外国語)の教科主任の先生向け、アクティブラーニング(AL)の視点に立った参加型授業を実践している先生向けの3種類の調査用紙を用意。調査結果を分析することで見えてきた、高等学校におけるALの視点に立った参加型授業の実施状況とは?

国語科の参加型授業の特徴

国語科の参加型授業の特徴

第二次報告では、主に教科主任の先生からの回答の分析結果を報告します。全国の高校で実施されているALの視点に立った参加型授業について、教科ごとにどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、次の観点から分析した結果を報告します。

・参加型授業のねらい
・参加型授業で取り組んでいる学習活動
・参加型授業で取り入れている学習環境や授業方法の工夫
・参加型授業実施上の悩み

国語科では、「自分の考えを言語で表現する力」「主張・傾聴・討論などのコミュニケーション力」「自分の考えを深める思考力」などをはじめ、先生が参加型授業を通して生徒に身につけてほしいと考えている力は多様でした。これら上位の項目の顔ぶれに、教科による違いはあまりありませんでした。
学習活動としては「教員による思考の活性化を促す説明や解説」「生徒同士で意見を出し合う活動(ブレインストーミング)」「生徒同士の議論や話し合い(ディスカッション)」「生徒による発表(プレゼンテーション)」などに取り組んでいました。
学習環境や授業方法の工夫としては「生徒にあらかじめ学習のねらいを伝えるなど、学習の到達点を意識させる工夫」「自作プリントや模型・実物の提示など、アナログな教材教具の工夫」「学習活動の各場面で生徒の学習を促す動機づけの工夫」などを取り入れていました。
悩みとしては「授業前後の教員の負担が増加する」「授業の進度が遅くなる」「授業の時数が足りない」などを感じていました。
国語科の特徴は、多くの先生が参加型授業を「これまでも取り組んできたもの」と考えており、地歴・公民科、外国語科の授業と並んで、取り組んでいる学習活動や取り入れている工夫が多様であるところにあるといえます。

上図は、ご自由に引用・転載していただいて構いません。また、引用・転載にあたっては、事前にご連絡をいただく必要はありませんが、必ず以下の【出典記載例】に則って、出典をご明記ください。

【出典記載例】
木村充, 山辺恵理子, 中原淳 (2016). 東京大学−日本教育研究イノベーションセンター共同調査研究 高等学校におけるアクティブラーニングの視点に立った参加型授業に関する実態調査: 第二次報告書.
http://manabilab.nakahara-lab.net/wp/wp-content/uploads/2016/03/2ndreport.pdf

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