マナビラボ

第1回

2017.05.24

全国調査の結果を解説!
〜vol.9 効果の実感が高い学習活動〜

全国調査の結果を解説する「ニッポンのマナビ いまの高校の授業とは!?」

2015年度に続き、東京大学大学総合教育研究センター中原淳研究室は、一般財団法人日本教育研究イノベーションセンターとの共同研究として、「高等学校におけるアクティブラーニングの視点に立った参加型授業に関する全国調査2016」を実施しました。
各教科(国語、数学、理科、地歴・公民、外国語)の教科主任の先生向け、各教科でアクティブラーニングに取り組んでいる先生向けの2種類の調査について、調査票を送付した全国の高等学校約2,414校のうち、約74%にあたる1,794校からの回答を得ました。

全国調査2016の結果解説9回目となる今回は「効果の実感が高い学習活動の種類」についてです。

【効果の実感が高い学習活動の種類】

参加型学習を取り入れた単元のうち、最も効果の実感が高かった学習活動について、15種類の学習活動とその実施主体(生徒個人、生徒2名、生徒3名以上のグループ)から当てはまるものを選択してもらいました。

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その結果、上位は(スコアの高い順に)「(生徒3名以上のグループで)生徒が学習について客観的にふりかえる活動」「(生徒3名以上のグループで)生徒が学習について評価・採点する活動」「(生徒3名以上のグループで)生徒が役割を演じ、体験する活動(ロールプレイング」「(生徒3名以上のグループで)生徒が学校外の施設を見学する活動」「(生徒3名以上のグループで)生徒があるテーマについて図書館やコンピュータを利用したり、聞き取り調査をしたりして調べる活動」という5つの学習活動となりました。

効果の高い参加型学習にしていくには、生徒自身が学習を振り返って、学んだことを再確認したり、意味づけたりする学習活動が重要になってくるようです。

また、上位5つの学習活動の実施主体がすべて「生徒3名以上のグループ」となっているように、全体として「生徒3名以上のグループ」での学習活動が多く選択されていました。

生徒どうしで学ぶ機会が生まれることも、参加型学習のひとつの強みなのかもしれませんね。

 

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上図は、ご自由に引用・転載していただいて構いません。また、引用・転載にあたっては、事前にご連絡をいただく必要はありませんが、必ず以下の【出典記載例】に則って、出典をご明記ください。

【出典記載例】
木村充, 伊勢坊綾, 小山田建太, 田中智輝, 村松灯, 山辺恵理子, 中原淳 (2017). 東京大学-日本教育研究イノベーションセンター共同調査研究 高等学校におけるアクティブラーニングの視点に立った参加型授業に関する実態調査2016: 第一次報告書.
http://manabilab.nakahara-lab.net/wp/wp-content/uploads/2017/01/1streport.pdf

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