マナビラボ

第18回

2017.06.07

学校は監獄!?従順ではいられないアクティブラーナーのための必読書

マナビや教育について、ちょっと立ち止まって考えてみるきっかけづくりを目的にした、「3分でわかる!マナビの理論」。

第17回の今回は、フランスの思想家ミシェル・フーコーが1975年に発表したSurveiller et Punir: Naissance de la Prison(『監獄の誕生』)の一節をご紹介します!

 

権力と知は相互に絡み合う。

現代思想の至宝にして、今日においてもいまだ決定的な影響力を持ち続けている思想家ミシェル・フーコーは、近代に特有の統治の技法として「教育」を捉えました。

19世紀における監獄の誕生は、公開処刑に代表される「殺す権力」から「生かす権力」へと統治の技法が変化したことを意味しています。

そしてこうした「生かす権力」がもっとも顕著に働く場として、フーコーは学校を挙げています。

フーコーにとって重要なことは、試験が子どもの能力を測定するということ以上に、

試験によって彼らが自明とされた一つの知の体系、定められた価値規範によりよく従うようになるということでした。

 

こうしたフーコーの近代教育への批判は、単に教育の権力性を暴いたというだけでなく、

権力と知との関係をいかに組み換えていけるのかという課題を投げかけているという意味で今もなお重要な参照点でありつづけているのではないでしょうか。

自由なマナビが生まれる教室、教育者と学習者の関係性が既存の規範=規律に絡めとられていないか?つねに問い直すことが、知の解放へのひとつの試みなのかもしれません。

 

  • 取材

    田中 智輝

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