第8回
2018.10.24
ハマチは学習する!? 世界初!?トミーのハマチショー
〜長浜高校水族館部②〜
愛媛県立長浜高校水族館部は発足以来、約20年間にわたり、精力的に活動してきた。たった2つの水槽から始まった活動は今、学校だけでなく地域を活気づける原動力となっている。
水族館部のイベント班では、月に1度の一般公開に向けて新しい企画を打ち立てた。それが「トミーのハマチショー」だ。「ハマチって魚ですよね・・・ショーするんですか!?」という質問に、「養殖よりも天然の方がショーには向いています」というハイレベルな答えが返ってきた。「養殖だといつでも餌がもらえると思っているんです。天然だと、餌にありつける時は限られていて、今食べないと、というのがあるので」と教えてくれたのは、トミーこと3年生の冨永さん。冨永さんと1年生の大野さん、村山さん、西田さん(陸上競技部に転部)にお話を伺った。
Q. なぜ水族館部に入ろうと思ったのですか?
冨永さん:僕はイベント班の班長で、魚説明のデータ作りを担当しています。「トミーのハマチショー」のトミーは冨永のトミーなんです。自分は魚釣りが好きで、飼育しているうちに、魚の生態を知って釣りに応用できないか、もっといろんなの魚のことを知りたいと思って、水族館部に入りました。この高校には水族館目当てで入りました。
大野さん:冨永先輩と一緒で、魚釣りが好きで、魚の生態や種類がもっと知りたくて、水族館部に入りました。
村山さん:僕は、魚に興味があったのではなく、水族館に興味があって入部しました。中学校の先生やテレビの情報からこの水族館のことを知りました。
西田さん:僕は、小さい頃から魚釣りが好きで、中学校の時に水族館部のことを知って、その瞬間に長高に入ることを決めました。
Q. 水族館部には、研究班と繁殖班もありますよね。なぜイベント班に?
大野さん・村山さん:イベント班の中に特殊工作班があるのを知って、イベント班に入りました。
Q. 特殊工作班?
冨永さん:途中からイベント班の中に特殊工作班という班ができたんです。あそこに棚があるんですけど(中庭ステージの棚を指して)、あれを作ったり、こういうのをカットしたりとか。最初は、班長の自分と副班長の二人でやっていて、以前は先生がやっていたことを自分たちでやろうという話です。
西田さん:僕は、毎月第3土曜日の一般公開のときに、お客さんにもっとたくさんの魚を知ってほしいと思って、イベント班に入りました。
Q. 1ヶ月に1回の一般公開は楽しみですか?
冨永さん:準備し足りないんです。やりたいことがありすぎて。他の班と違ってイベント班はできることが多いんです。やることは簡単だけど多い。他の班は、やることが難しくて少ない。
Q. 1年生のみなさんは、一般公開、どうですか?
大野さん:お客さんに魚のことを説明していくうちに、どんどん魚への興味が湧いてきて、すごい楽しいです。
村山さん:最初は何をしたら良いのか全くわからない状態で、常に緊張していたんですが、この前は少しスムーズにできました。今月の公開日がほんと楽しみです。
西田さん:僕も最初は緊張していたんですが、先輩方がやさしく教えてくれて、お客さんに魚のことをうまく説明できるようになって、今はめっちゃ楽しみです。
Q. 公開日に向けて大変なことはありますか?
冨永さん:水槽の掃除は本当に大変です。水槽はとても大きいし、魚と水を別のところに移さないといけないし、2日がかりです。次の公開日に向けて、ショーをバージョンアップさせようと思っているので、それも担当者は大変ですね。僕は3年生なので、二代目トミーを誰が襲名してくれるのか楽しみです!
それから約3ヶ月・・・
大人気の「トミーのハマチショー」を仕切るのは1年生だ。
冨永さんは少し離れたところから1年生の様子を見守り、ショーの後にすかさずフィードバックに駆け寄っていった。1年生は、冨永さんの言葉に熱心に耳を傾け、熟練の技に目を凝らし、自分たちのものにしようとしている。
水族館部の活動が受け継がれていく世代交代の場面に少しだけ立ち会うことができた。
次回は、水族館部の活動を支えてきた顧問の重松先生のお話を取り上げます!
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取材
田中 智輝
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取材
村松 灯
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取材
渡邉 優子
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撮影
村松 灯