マナビラボ

第7回

2018.10.10

水族館部へようこそ!?

〜長浜高校水族館部①〜

愛媛県立長浜高校水族館部は発足以来、約20年間にわたり、精力的に活動してきた。分校・廃校の危機を認識するところから始まった水族館部の活動。分校・廃校の危機と隣り合わせであることは今も変わらないが、水族館部の躍進は止まらない。たった2つの水槽から始まった活動は、今、学校だけでなく地域を活気づける原動力となっている。


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水族館部の日常的な活動は、研究班・繁殖班・イベント班の3つの班に分かれて取り組まれている。

研究班の生徒たちの研究成果をまとめたものはこれまで、「日本学生科学賞」愛媛審査で最優秀賞に何度も輝き、環境大臣賞や内閣総理大臣賞も受賞してきた。日本国内に限らず、世界75以上の国と地域から選ばれた約1700 人の高校生が自分たちの研究を発表する「国際学生科学技術フェア」(International Science and Engineering Fair、以下ISEF)にも出場し、2015年には動物科学部門で優秀賞4等という成績もおさめている。(→研究班の研究については水族館部④をお楽しみに!)

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繁殖班の生徒たちが担当している水槽の中には・・・小さいカクレクマノミがたくさん!どうやら水槽にペアで入っているカクレクマノミの赤ちゃんのようだ*。水族館部がカクレクマノミの初産卵に成功したのは2003年のことだったという。それ以来、水族館部生まれの大切に育てられてきたカクレクマノミたちが水族館部の水槽を華やかに彩ってきた。

*「クマノミ」といっても実は種類はいろいろ。水族館部の生徒によれば、白い線の数がポイントとのこと。白い線が1本だと「ハマクマノミ」、2本だと「クマノミ」、3本だと「カクレクマノミ」だと丁寧に説明してくれた。卵クマノミOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

イベント班の生徒たちが手掛けているのは、毎月1回、第3土曜日の一般公開の企画・運営だ。一般公開は、水族館部の活動を広く知ってもらう絶好のチャンスである。今回は、一般公開の様子をちょっとだけのぞいてみよう。

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一般公開では水族館部の生徒から直接、水生生物についてのイロハを聞くことができる。たとえば、クマノミの種類と縦縞の数の関係、コブダイは子どもの時にはコブなし、アカクラゲは刺されると結構痛い・・・などなど。

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水族館部の生徒はそれぞれ自分の担当する水槽をもっていて、まさしく、その水槽における専門家である。丁寧な対応、わかりやすい解説が来場者に大好評だ。

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一般公開では、水族館部の生徒だけでなく、ビジネスコースの生徒が近隣のパン屋さんとコラボした“水族館パン”(カメロンパン、クラゲパン、カニチョコパン)の販売をしたり、生徒会の生徒がカフェを運営したり、ブラスバンド部や美術部、家庭クラブの生徒がそれぞれイベントを開催したりもしている。また、長浜高校を起点として、長浜の街にある水槽や魚に関係のある場所をめぐるスタンプラリー企画も開催されている。

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分校・廃校の危機を認識するところから始まった水族館部の活動が、学校全体を巻き込み、街にも広がりつつあることがわかる。今、水族館部は、長浜高校ひいては長浜という街に欠かせない看板だ。

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次回は、水族館部のイベント班が企画したハマチショーについて取り上げます!お楽しみに。

  • 取材

    村松 灯

  • 取材

    町支 大祐

  • 取材

    渡邉 優子

  • 撮影

    村松 灯

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