マナビラボ

第11回

2016.06.08

アクティブラーニング全国調査の結果を大公開!~第三弾~

教えて!高校のアクティブラーニング

年齢と授業に参加型学習を取り入れはじめたきっかけ

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参加型学習を取り入れた授業のきっかけは年代によって違うのでしょうか。「研修や勉強会で学んで効果がありそうだったから」「他の教員の授業を見たり話を聞いたりして効果がありそうだったから」というきっかけは、いずれの年代においても割合が高くなっていますが、若い年代の先生で最も高く、年代が高くなるにつれその割合は低下していることがグラフからわかります。一方で、「これまでの手法に限界を感じたから」というきっかけは、年代が高くなるにつれ割合が増加していました。また、「最初から当然のものとしてやっていた」というきっかけは、60代では最も多いきっかけであるものの、他の年代では15%~20%に留まっていました。
「自分が生徒・学生時代に受けた授業に効果があったから」というきっかけは、20代の約15%が最も高く、年代が高くなるにつれその割合は低下していくものの、60代で13.5%と高い割合を示していました。20代の先生が生徒・学生だった頃の教育は、初中等教育で総合的な学習の時間が導入され、高等教育でもアクティブラーニングの導入がはじまった頃であり、「自分が生徒・学生時代に受けた授業に効果があったから」というきっかけは、その成果を示しているのではないでしょうか。また、60代の先生が生徒・学生だった頃は、戦後教育改革とともに国民の教育熱が高まり始め、戦後教育における問題が表面化していなかった時期です。この年代の先生が「自分が生徒・学生時代に受けた授業に効果があったから」というきっかけをあげているのは、この時代の教育の特徴を示している可能性があります。

上図は、ご自由に引用・転載していただいて構いません。また、引用・転載にあたっては、事前にご連絡をいただく必要はありませんが、必ず以下の【出典記載例】に則って、出典をご明記ください。

【出典記載例】
木村充, 山辺恵理子, 中原淳 (2016). 東京大学−日本教育研究イノベーションセンター共同調査研究 高等学校におけるアクティブラーニングの視点に立った参加型授業に関する実態調査: 第三次報告書.
http://manabilab.nakahara-lab.net/wp/wp-content/uploads/2016/06/3rdreport.pdf

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